(続)IAUS355でLOC&ポスター発表

先週開催されたIAUS355″The Realm of the Low Surface Brightness Universe”シンポジウムがようやく終わりました。天文物理学の最先端の研究の成果を発表しあう場がテネリフェ島のラ・ラグーナ大学の大講堂に設けられた。『低表面輝度宇宙の領域』と題したこの学会では、最新の天文観測データやで見た宇宙には我々が未だかつて見たことのないもの(今まで見えてなかったもの)がまだまだいっぱいあることが今回、特に印象的だった。

ラ・ラグーナ大学の大講堂でシンポジウムは開かれた。

薄くて暗い矮小銀河や、 Ultra Diffuse Galaxies (UDGs) が次から次へと見つかっていたり、色々な銀河のさらに外側の領域には恒星のストリームが見えたり、銀河団の中心からは銀河間放射 (Intracluster Light, ICL) が見えたり、色々ありすぎて書ききれないが、とにかく最新画像や結果がすごかった。月曜日から金曜日まで、ほぼ毎日朝の9時から夕方19時まで、計86トーク(15〜30分)にポスター40枚(+1分間プレゼン)。詰めっつめのスケジュールだった。

もちろん毎日19時に学会は終わるが、その後の歓迎レセプションや、カンファレンスディナー、同僚達との再開を祝うお食事会などに続くので、実質稼働時間は家を出て帰るまでフルタイム。帰宅後、汗を流したら、数時間寝て起きて、また学会。それを5日間、こなすのであった。

『冒険』してみた『変な』ポスター。アブストラクトとレザルトが下に!謎のQRコード付き!?

指定されたA0サイズで、精魂込めて作ったポスター。LOCとして会場のセッティングを手伝う際に、ポスターボードに脚をネジで停めるという作業をやったのだが、A0サイズと言っておきながらボードのサイズがどうみても足りないのだ。さあ困った。当日、いざ会場にポスターを持っていくと、案の定ボードとのサイズは合わず、下の部分がプラプラクルリンとなっちゃってたので、日本から持ってきてたちょっと便利な物干し用フックとつっかえ棒でとりあえず問題解決。他の参加者もガムテープで引っ張ったり、ペーパークリップを大量に付けて重しにしたりして工夫していた。初日には風に吹き飛ばされ、床に落ちていたことが2〜3回はあったが、上の固定をしっかりしたら後の4日間は安定していた。

金曜日最終日の昼前に無事トークセッションを全て終え、午後から夕方にかけてテイデ観測所を訪問するツアーでシンポジウムの本編は無事幕を閉じた。翌日土曜日にはラ・パルマの観測所訪問日帰りツアーもあり、登録者は10名ほど。さすがに体力的に持たないので、それはパスした。

今回のシンポジウムは非常に知的好奇心をいい具合に揺さぶるものがあって大成功と言えよう。現在ある課題や、今後出てくる問題に付いても触れられ、様々なインタラクションが起きていた。私も長いせいか、知り合いが多くなってきた。昔からの知人、友人、同僚との再開や、まったく新しい出会いで盛り上がったり、大変楽しい学会であった。

Author: Alex

World-traveling astronomer. Exploring extragalactic space. Likes to educate others about astronomy.